**Region Box統一理論の実装開始**
新規追加:
- src/mir/region/mod.rs: Region/RefSlotKind型定義
- src/mir/region/observer.rs: Region観測レイヤー
- docs/development/roadmap/phases/phase-25.1l/: 設計ドキュメント
主要概念:
- Region Box = Function/Loop/If の統一箱
- RefSlotKind = GC管理用スロット種別(Strong/Weak/Borrowed/NonRef)
- 観測専用(NYASH_REGION_TRACE=1で動作、挙動変更なし)
設計理解の深化:
- ValueId(40)問題 = LoopForm v2スコープ契約違反の症状
- 根本解決 = Region観測で無名一時値のスコープまたぎを検出
- 箱理論3原則: 境界明確化/差し替え可能/段階的移行
関連議論:
- ChatGPT提案: Region統一理論でGC/寿命管理の基盤構築
- SlotRegistry: 変数の単一真実源(SSOT)
- 階層構造: FunctionRegion → LoopRegion → IfRegion
次のステップ:
- Phase 1: Region観測(現在)- 非破壊的追加
- Phase 2: メタデータ出力(MIR JSON拡張)
- Phase 3: GC統合(retain/release挿入)
テスト追加:
- lang/src/compiler/tests/stageb_mini_driver.hako
- tools/test_loopssa_breakfinder_slot.sh
Build: ✅ 全警告は既存のもの
Tests: 既存テスト全て緑維持
8.0 KiB
8.0 KiB
Phase 25.1k — LoopSSA v2 実装 & Stage‑B SSA 安定化(.hako 本体版)
Status: in progress(.hako 側 LoopSSA v2 本体実装/Rust 側は既存 SSA/PHI を SSOT として維持)
ゴール
- 25.1j までに固めた LoopSSA/BreakFinderBox/PhiInjectorBox の責務・設計をベースに、
.hako側 LoopSSA v2 の 実装本体 に踏み込むフェーズだよ。 - 具体的には:
- Stage‑B minimal harness(
tools/test_stageb_min.sh)の Test 2/3 で出ている:- Test 2:
.hakoStage‑B コンパイラ(compiler_stageb.hako)がstageb_min_sample.hakoをコンパイルする
「.hako パーサ+Stage‑B コンパイラ経路(FuncScanner / LoopSSA / BreakFinderBox / PhiInjectorBox)」 での Rust VM エラー
(BreakFinderBox.find_breaks/2→_find_loops/2の receiver 未定義use of undefined value ValueId(..)) - Test 3: 同テストファイルを Rust MIR ビルダーで実行したときの
%0由来 SSA エラー(NYASH_VM_VERIFY_MIR=1時) を LoopSSA v2 の改善によって減らす/消す ことを狙う(Rust 側 LoopForm v2 / Conservative PHI Box は既に緑で SSOT 済み)。
- Test 2:
- 文字列ハードコードベースの
_collect_phi_vars/ synthetic"r{block}_{var}"を、
Carrier/Pinned ベースの設計に一歩近づける(完全置き換えまでは行かなくても OK)。 - Rust 側 LoopForm v2 / Conservative PHI Box は SSOT として維持し、.hako 側 LoopSSA v2 は dev トグルで常時検証しつつ徐々に寄せていく。
- Stage‑B minimal harness(
前提(25.1j までで揃っているもの)
- Rust 側:
- LoopForm v2 + Conservative PHI Box + ControlForm が統合済みで、If/Loop の SSA/PHI は緑。
- Stage‑B 風ループ(Rust テスト)も LoopForm v2 / Conservative PHI で安定している。
.hako側:- LoopSSA パス:
LoopSSA.stabilize_merges(stage1_json)がBreakFinderBox.find_breaks(json, trace_flag)→
PhiInjectorBox.inject_exit_phis(json, breaks, trace_flag)の 2 段構成で動作。- trace/ENV 解釈は LoopSSA に一元化され、下流には 0/1 の
trace_flagだけ渡す構造に整理済み。
- BreakFinderBox:
_find_loops(json_str, trace)が"loop_header":/"loop_exit":から loop を検出。loop_infoに{"header", "exit", "body", "control"}を格納し、controlに ControlFormBox を添付。
- PhiInjectorBox:
- 現状は
common_vars = ["i","n","item","j","count","val"]に対する簡易版_collect_phi_vars。 - value_id は
"r{block_id}_{var_name}"形式の synthetic 値(観測用のダミー)を返している。
- 現状は
- ドキュメント:
- 25.1j の README で LoopSSA/BreakFinderBox/PhiInjectorBox の責務境界と Carrier/Pinned/Invariants 概念を明文化済み。
- LoopSSA パス:
方針(25.1k: LoopSSA v2 の「中身」を少し前に進める)
K‑A: Stage‑B Test2 の ValueId(50) 問題の最小再現と LoopSSA 切り分け
- 目的:
BreakFinderBox._find_loops/2で発生しているuse of undefined value ValueId(50)(現在は 46→39 と推移中)を、
「LoopSSA / BreakFinderBox が生成した JSON / MIR の問題なのか」「それ以前の Stage‑B パイプラインの問題なのか」切り分ける。
- ステップ:
tools/test_stageb_min.shTest2 の Program(JSON v0) 出力を一時ファイルに保存(Stage‑B → Program(JSON v0) 直後)。- その JSON に対して:
- Rust 側 MirBuilder / LoopForm v2 / Conservative PHI を使って
NYASH_VM_VERIFY_MIR=1を通し、Rust 側 SSA/PHI の健全性を確認する。 .hako側 LoopSSA を単独で呼び出す(LoopSSA.stabilize_merges(json))最小ハーネスを用意し、BreakFinderBox / PhiInjectorBox の前後で JSON を比較。
- Rust 側 MirBuilder / LoopForm v2 / Conservative PHI を使って
- どの時点で
BreakFinderBox._find_loops/2の receiver が「定義のない pinned ValueId(例: 39/46/50)」になるかを特定し、
LoopSSA v2 の変更前後で挙動が悪化していないかを確認する。
K‑B: BreakFinderBox の LoopScope 精度の向上(保守的に)
- 目的:
_find_loop_bodyの「header_id < id < exit_id」ヒューリスティックが過剰/過少に body を拾っていないかを確認・改善する。
- ステップ:
- ControlFormBox を活用して LoopScope の妥当性をチェック:
- header/exit/body に対して Rust 側 LoopForm v2 の期待と比較しやすい形でログを出す(block id 範囲など)。
- 必要であれば:
- body 集合を「exit から逆到達できる block」など、より保守的な条件に修正(文字列ベースの範囲内で)。
- ゴール:
- LoopSSA が「本来そのループに属さない block」を body に含めないようにする(ValueId(50) のような飛び火を防ぐ)。
- ControlFormBox を活用して LoopScope の妥当性をチェック:
K‑C: PhiInjectorBox の v2 への一歩(Carrier/Pinned の入口だけ作る)
- 目的:
_collect_phi_varsの完全置き換えまでは行かずに、今後の移行先となる v2 API の入口を整える。
- ステップ:
PhiInjectorBoxに新しい内部ヘルパーを追加(例:_collect_phi_vars_v2(json_str, break_list, loop_info)):- まだ中身は stub でもよいが、「Carrier/Pinned/Invariants」の 3 区分を引数/戻り値で表現できる形にする。
- 25.1k では v1 実装(
_collect_phi_vars)を実際に置き換えず、trace=1 の時だけ v2 の診断ログを出すくらいに留める。
loop_info.get("control")の ControlFormBox から header/exit/body を読み取り、
どの変数が本来の Carrier に相当しそうかをログに出す(まだ PHI には使わない)。
K‑D: Stage‑B Test3 (%0) の「悪化していない」ことの確認
- 目的:
- LoopSSA v2 の変更が、Stage‑B Test3 の
%0SSA 問題を悪化させていないことを確認する。
- LoopSSA v2 の変更が、Stage‑B Test3 の
- ステップ:
NYASH_VM_VERIFY_MIR=1で Test3 を流したときのエラー位置(関数名/ブロック/命令)を記録。- 25.1k の差分適用前後で比較し、LoopSSA 関連の変更による新規エラーが出ていないことを確認。
- 必要なら、Test3 から LoopSSA を一時オフ(
HAKO_LOOPSSA_EXIT_PHI=0)にした場合のログも取っておき、
「LoopSSA が原因の部分」と「それ以外」を明確に切り分ける。
K‑E: デバッグ用ハーネス・プリセットの整備
- 目的:
- LoopSSA/BreakFinderBox/PhiInjectorBox 周辺をデバッグしやすくするための「共通の足場」を用意し、
25.1k 以降の作業で毎回同じ ENV/コマンドを手で組み立てなくて済むようにする。
- LoopSSA/BreakFinderBox/PhiInjectorBox 周辺をデバッグしやすくするための「共通の足場」を用意し、
- 実装メモ:
tools/stageb_loopssa_debug.sh:- Stage‑B 最小ハーネス
tools/test_stageb_min.shを、LoopSSA v2 デバッグ向けの ENV プリセット (HAKO_LOOPSSA_EXIT_PHI=1,HAKO_COMPILER_BUILDER_TRACE=1,NYASH_VM_TRACE=1,NYASH_LOCAL_SSA_TRACE=1,NYASH_BUILDER_TRACE_RECV=1など)付きで実行する小さなラッパ。
- Stage‑B 最小ハーネス
lang/src/compiler/tests/loopssa_breakfinder_slot.hako+tools/test_loopssa_breakfinder_slot.sh:- Program(JSON v0) を直接文字列として持つ LoopSSA ハーネス(現在は最小緑 JSON、将来は Stage‑B Test2 から抽出した失敗 JSON を貼り付ける「スロット」として運用)。
HAKO_LOOPSSA_EXIT_PHI=1で LoopSSA v2 / BreakFinderBox / PhiInjectorBox の経路だけを通し、ValueId(..) 問題を Stage‑B 抜きで再現できるようにする。
このフェーズで「しない」こと
- PhiInjectorBox の
_collect_phi_vars/_get_var_valueを 完全刷新すること:- これは 25.1k の次、25.1l 以降の「本格 v2 実装」のタスクとして分ける。
- Rust 側 LoopForm v2 / Conservative PHI の設計を変えること:
- Rust 側はあくまで SSOT であり、.hako 側はそれに追従する形で徐々に近づける。