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Phase 130: JoinIR → LLVM ベースライン確立
🎯 ゴール
「JoinIR で selfhost/hako_check まで安定した」現在の状態から、JoinIR → LLVM 経路の現状を観測・記録する フェーズ。
目的：
- 代表的な .hako を LLVM ラインで実行し、「どこまで通っているか、どこが赤いか」を一覧化
- JoinIR → MIR → LLVM（ny-llvmc / ハーネス）経路での問題点（命令未対応 / ABI ズレ / print系など）を洗い出す
- 実装修正は Phase 131+ に回す（Phase 130 は「観測専用」と割り切る）
Phase 124: JoinIR/selfhost 第2章 完了 ✅
↓
Phase 130: 「JoinIR → LLVM どこが赤いか」を観測・記録 ← ← ここ！
↓
Phase 131+: 個別の LLVM 側問題を潰す
📋 スコープ（やること・やらないこと）
✅ やること
- 代表ケース選定（JoinIR/selfhost/hako_check から 5〜8 本）
- LLVM 実行コマンドと環境変数の整理（Rust VM と LLVM ハーネス両方）
- 実行結果（成功 / 失敗 / 既知問題）を 1 つの docs にまとめる
- CURRENT_TASK / Backlog に「JoinIR→LLVM 第3章の入り口」を追記
❌ やらないこと
- LLVM 側の実装修正（Phase 131 以降の役割）
- 新しい最適化パスやコード生成ルールの追加
- JoinIR / Ring0 の設計変更
🏗️ 4 つのタスク
Task 1: 代表ケース選定（LLVM 用）
ファイル: docs/development/current/main/phase130_joinir_llvm_baseline.md（このファイル）
やること:
-
いまの代表パスから、LLVM でも意味があるやつをピックアップ：
カテゴリ ファイル 用途 selfhost Stage-3 apps/tests/peek_expr_block.hako式ブロック・peek構文 selfhost Stage-3 apps/tests/loop_min_while.hakoループ・条件分岐 selfhost Stage-3 apps/tests/esc_dirname_smoke.hakoConsoleBox.println・複合処理 hako_check Phase 121 から適切な最小ケース hako_check 診断ロジック JoinIR/PHI Phase 33–67 の if/loop PHI テスト PHI マージ・LoopForm -
できれば 5〜8 本に絞る（あれもこれもはやらない）
-
各代表ケースについて、この docs に記載：
.hakoパス- 期待される挙動
- 既知の過去フェーズ（Phase 15 / 120）の結果（もしあれば）
Task 2: LLVM 実行コマンドの整理
やること:
-
Phase 130 用の「代表コマンド」を docs に固定：
- Rust VM 対応コマンド（比較用）：
./target/release/nyash --backend vm apps/tests/peek_expr_block.hako - LLVM ハーネス対応コマンド：
LLVM_SYS_180_PREFIX=$(llvm-config-18 --prefix) \ NYASH_LLVM_USE_HARNESS=1 \ ./target/release/nyash --backend llvm apps/tests/peek_expr_block.hako - v2 スモーク実行（統合テスト）：
./tools/smokes/v2/run.sh --profile integration
- Rust VM 対応コマンド（比較用）：
-
各代表 .hako に対して、どう実行するかを docs に例として明記
-
環境変数一覧：
NYASH_LLVM_USE_HARNESS=1→ Python/llvmlite ハーネス使用LLVM_SYS_180_PREFIX=$(llvm-config-18 --prefix)→ LLVM 18 設定
Task 3: 実行とベースライン記録（観測専用）
やること:
-
代表 .hako を、少なくともこの 2 パターンで実行：
- ✅ Rust VM（すでに green の比較軸）
- 🔧 LLVM backend（NYASH_LLVM_USE_HARNESS=1 --backend llvm）
-
それぞれについて：
- 実行結果: ✅ / ⚠️ / ❌
- エラーの場合:
- エラーメッセージ
- どのフェーズで失敗したか（parse / JoinIR / MIR / LLVM / 実行時）
- 既知の LLVM 側制約（Phase 15 docs）と照らし合わせる
-
結果を表形式でまとめる：
### apps/tests/esc_dirname_smoke.hako | 経路 | 結果 | メモ | |--------------|-------|-------------------------------------------| | Rust VM | ✅ | Phase 122 で ConsoleBox.println 問題解決済み | | LLVM harness | ❌ | [ERROR] 未対応 BoxCall / console access issue | -
この Phase では「修正せず、観測だけ」で止める
- 赤いところは「Phase 131 以降の TODO」として列挙しておく
Task 4: CURRENT_TASK / Backlog 更新
ファイル:
CURRENT_TASK.mddocs/development/current/main/30-Backlog.md
やること:
-
CURRENT_TASK.md に Phase 130 セクション追加：
### Phase 130: JoinIR → LLVM ベースライン確立 ✅ **完了内容**: - 代表パス 8 本を選定（selfhost/hako_check/JoinIR系） - Rust VM vs LLVM ハーネスで両実行結果を記録 - LLVM 側の Known Issues 一覧（赤いところ）を確認 **テスト結果**: - Rust VM: X/8 PASS - LLVM harness: X/8 PASS（赤いところ Y 個を特定） **成果**: - JoinIR→LLVM 経路の現状を可視化 - Phase 131 以降の優先度付けが可能に **次フェーズ**: Phase 131 - JoinIR→LLVM 個別修正ライン -
Backlog に「Phase 131: JoinIR→LLVM 個別修正ライン」を軽く書いておく：
### Phase 131: JoinIR→LLVM 個別修正ライン（予定） Phase 130 で検出された赤いところを潰す： - BoxCall 未対応 → LLVM IR 生成ルール追加 - JoinIR 命令 → LLVM 側の lowering 脱落 → 実装追加 - Console/Logger まわりの LLVM 経路整合 → ハーネス側修正 - [他、Phase 130 で検出された問題を随時追加]
✅ 完成チェックリスト（Phase 130）
phase130_joinir_llvm_baseline.mdが存在し、代表パス/コマンド/結果が整理されている- 少なくとも 5〜8 本の .hako が「Rust VM / LLVM backend」両方で実行されている
- LLVM 側は「結果を記録」できていれば OK（赤でも OK）
- 実行結果の表が表形式で docs に記載されている
- CURRENT_TASK.md に Phase 130 完了行が追加されている
- Backlog に「Phase 131: JoinIR→LLVM 個別修正ライン」が追加されている
- 実装修正は一切入れていない（赤は赤のまま、一覧化だけしている）
- git commit で記録（コミットメッセージ例:
docs(phase130): JoinIR→LLVM ベースライン確立）
所要時間
5〜6 時間程度
- Task 1 (代表ケース選定): 30分
- Task 2 (コマンド整理): 30分
- Task 3 (実行とベースライン記録): 3〜4時間（.hako 実行 + 結果記録）
- Task 4 (ドキュメント更新): 30分
次のステップ
Phase 131: JoinIR→LLVM 個別修正ライン - Phase 130 で検出された問題を優先度順に潰す
進捗
- ✅ Phase 124: hako_check レガシー削除 & JoinIR 専用化（完了）
- ✅ Phase 56: array_ext.filter JoinIR 対応（テスト修正完了）
- 🎯 Phase 130: JoinIR → LLVM ベースライン確立（← 現在のフェーズ）
- 📋 Phase 131+: JoinIR→LLVM 個別修正ライン（予定）