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# Join-Explicit CFG Construction
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Status: SSOT（design goal）
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Scope: JoinIR→MIR の「暗黙 ABI」を消し、Join を第一級に扱う CFG へ収束させる北極星（north star）。
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Related:
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- Navigation SSOT: `docs/development/current/main/design/joinir-design-map.md`
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- Investigation (Phase 256): `docs/development/current/main/investigations/phase-256-joinir-contract-questions.md`
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- Structured→CFG lowering SSOT（Frag/ExitKind）: `docs/development/current/main/design/edgecfg-fragments.md`
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- Decisions: `docs/development/current/main/20-Decisions.md`
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- Future features (catch/cleanup, cleanup/defer, async): `docs/development/current/main/design/exception-cleanup-async.md`
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## Goal（最終形）
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“Join-Explicit CFG Construction” を目指す。
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- `Jump/continuation/params/edge-args` を **第一級（explicit）**として扱う
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- JoinIR↔MIR 間の **暗黙 ABI（順序/長さ/名前/役割）** をなくす（SSOT を 1 箇所に封印）
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- 変換は「意味の解釈」ではなく「写像（mapping）」に縮退する
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## Non-Goals（いまはやらない）
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- JoinIR を即座に削除する（まずは ABI/Contract で SSOT を固める）
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- PHI を全面廃止して block params に置換する一括リファクタ（段階導入）
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## 現状の問題（Phase 256 で露出した型）
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- `jump_args` / `exit_bindings` / `entry.params` / `boundary.join_inputs` が “だいたい同じ順序” を前提にしており、ズレると SSA/dominance が破綻する
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- `expr_result` と LoopState carrier が同一 ValueId になり得るが、legacy “expr_result slot” 推測で offset がずれて誤配線になる
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- `jump_args` が IR の外側メタ扱いだと、DCE/最適化が “use” を見落としやすい
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- spans が並行 Vec だと、パスが 1 箇所でも取りこぼすと SPAN MISMATCH になる
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## 方針の核（Phase 259+）
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“正規化（normalized）” を 2 つに分けて SSOT を縮退させる：
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1. **Semantic Normalization（意味SSOT）**
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- terminator 語彙を固定し、意味の揺れを禁止する
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- 例: `cond 付き Jump` を **正規形から禁止**し、`Branch` に落とす
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2. **Plumbing Normalization（配線SSOT）**
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- edge-args / CFG successor / spans など「壊れやすい配線」を IR 構造に閉じ込める
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- 目標: “忘れると壊れるメタ” を減らし、変換を写像に縮退させる
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これにより、パターン追加が「意味SSOTに従う局所変更」になり、merge/optimizer 側の推測や補正が増殖しにくくなる。
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### 具体例: Pattern8 契約（Phase 259 P0）
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Pattern8（BoolPredicateScan）の実装で明示した契約要素（"pattern増でも推測増にしない"の実例）:
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- **`loop_var_name`**: merge_entry_block 選択に使用（`Some(parts.loop_var.clone())`）
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- 未設定だと誤った entry block が選ばれる
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- **`loop_invariants`**: PHI-free 不変量パラメータ（`[(me, me_host), (s, s_host)]`）
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- `loop_var_name` 設定時、BoundaryInjector が ALL join_inputs Copy をスキップするため必要
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- 不変量は header PHI で持つ（Pattern6 と同じ設計）
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- **`expr_result`**: k_exit からの返り値を明示（`Some(join_exit_value)`）
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- Pattern7 style（推測ではなく明示設定）
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- **`jump_args_layout`**: ExprResultPlusCarriers（carriers=0）
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- Pattern8 は carriers なし、expr_result のみ
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- **`exit_bindings`**: Empty
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- carriers なしなので binding も不要
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これらを「boundary builder で明示」することで、merge 側の推測を完全に排除。
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## 最小の箱（Box）構成（小さく強く）
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- `NormalizeBox`（意味SSOT）: Structured → Normalized、terminator 語彙の固定、Fail-Fast verify
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- `AbiBox`（役割/順序SSOT）: `JoinAbi`（sig/roles/special/alias）で暗黙 ABI を封印し、pack/unpack を一箇所に集約
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- `EdgeArgsPlumbingBox`（配線SSOT）: edge-args を terminator operand に寄せる段階導入、CFG/spans の同期点を一本化
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増やす基準: 同じ不変条件を 2 箇所以上で守り始めたら箱を追加し、参照点を 1 箇所に縮退させる。
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## 移行戦略（段階導入 / Strangler）
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原則:
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- **移行を先に固定**し、機能追加は「新契約に乗るものだけ」併走する（旧経路に新機能を足さない）
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- 既定挙動を変えない（必要なら dev-only の診断ガードで観測）
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### Stage 1（短期）: JoinIR を “ABI/Contract 付き Normalized SSOT” にする
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狙い: 推測をなくし、順序/役割の SSOT を 1 箇所へ寄せる。
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- boundary に `jump_args_layout` のような **layout SSOT** を持たせ、collector/rewriter が推測しない
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- terminator 語彙を固定し、`cond 付き Jump` を `Branch` へ寄せる（正規形から禁止）
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- continuation の識別は **ID SSOT**（String は debug/serialize のみに縮退）
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受け入れ:
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- `--verify` が PASS（SSA/dominance/PHI/ExitLine の契約違反が消える）
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- 直撃回帰テスト（`expr_result == carrier` 等）が固定される
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### Stage 2（中期）: MIR を “edge-args を terminator operand に持つ CFG” に寄せる
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狙い: `jump_args` を “意味データ” として IR に埋め込み、DCE/CFG が自然に追える形へ収束する。
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- `jump_args` を BasicBlock メタから terminator operand へ寄せる（段階導入: 互換フィールド併存→移行→削除）
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- “参照 API” は Branch を含むので **複数 edge を前提**にする（単発 `edge_args()` は曖昧になりやすい）
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- 例: `block.out_edges()` / `block.edge_args_to(target)`
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- terminator operand 側は `Vec<ValueId>` だけでなく **意味（layout）**も同梱する
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- 例: `EdgeArgs { layout: JumpArgsLayout, values: Vec<ValueId> }`
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- spans は `Vec<Spanned<_>>` へ（API で不変条件を守る）
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受け入れ:
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- `jump_args` 由来の use が最適化で消えない（テストで固定）
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- SPAN MISMATCH が構造的に起きない
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### Stage 3（長期）: JoinIR と MIR の境界を薄くし、必要なら JoinIR を builder へ降格
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狙い: “bridge/merge が意味解釈する余地” を最小化し、一本の CFG 語彙に収束させる。
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- JoinIR を SSOT IR として残すか、builder DSL として降格するかは、この段階で再判断する
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## 実務ルール（Phase 中の運用）
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- 新パターン/新機能は「新しい Contract で記述できる場合のみ」追加する
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- Contract の導入中は “機能追加より SSOT 固め” を優先する（泥沼デバッグの再発防止）
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## API の作り方（迷子防止）
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Strangler 期間は “読む側だけ寄せる” と取りこぼしが起きやすい。読む側/書く側を両方とも API に閉じ込める。
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- **読む側（参照点の一本化）**
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- `out_edges()` のように edge を列挙できる API を SSOT にする（`Jump`/`Branch` を同じ形で扱える）
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- 旧メタ（`jump_args`）は API 内部でのみ参照し、外部は見ない
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- **書く側（terminator 更新の一本化）**
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- `set_terminator(...)` のような入口に寄せ、successors/preds の同期漏れを構造で潰す
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- **verify（Fail-Fast）**
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- terminator から計算した successors と、キャッシュ `block.successors` の一致をチェックして “同期漏れ” を即死させる
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## pattern（番号）の位置づけ（収束のさせ方）
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重要: “pattern番号で分岐する” こと自体は長期的には消したい（臭い）。ただし **IR上の形（terminator/exit種別）で分岐する**のは普通で、むしろ正しい。
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収束方針:
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- EdgeCFG の基盤が固まった後、Structured→CFG lowering の中心概念を **pattern番号**ではなく **ExitKind と Frag（fragment）**に移す
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- pattern は “Extractor（形の認識）/ Plan（最小要件の抽出）” までに縮退し、merge/配線層へ逆流させない
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- 最終的に残る実装は `seq/if/loop/cleanup` 等の **合成則**と、`join(block params)` だけになる
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設計SSOT: `docs/development/current/main/design/edgecfg-fragments.md`
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