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nyash-codex 97675b4035 docs: Phase 114 DONE

Phase 114完了に伴うドキュメント更新:
- 30-Backlog.md: Phase 114の次候補から完了済みに移行
- design/control-tree.md: Phase 110-112の進捗反映
- design/README.md, joinir-design-map.md, phases/README.md: マイナー更新

🤖 Generated with [Claude Code](https://claude.com/claude-code)

Co-Authored-By: Claude Opus 4.5 <noreply@anthropic.com>

2025-12-18 02:19:41 +09:00

17 KiB

Raw Blame History

JoinIR Design Map（現役の地図）

Status: SSOT（navigation）
Scope: JoinIR の「Loop/If を JoinIR 化して MIR に統合する」導線（検出→shape guard→lower→merge→契約検証）
Related:

このドキュメントは Phase ログではなく、「JoinIR を触る人が迷子にならず、どこを直すべきかが一発で分かる」ための設計図（地図）です。
詳細な経緯・作業ログは docs/development/current/main/phases/ と docs/development/current/main/investigations/ に分離します。

役割分担（joinir-architecture-overview との分離）

このファイルは「実装導線の地図」の SSOT です（navigation SSOT）。
意味論・契約・不変条件の本文（normative）は docs/development/current/main/joinir-architecture-overview.md を SSOT とします。

使い分け:

「JoinIR が何を保証し、何を Fail-Fast で落とすべきか」→ joinir-architecture-overview.md
「どのファイルを触るべきか」「入口はどこか」「追加手順は？」→ この joinir-design-map.md
「経緯/ログ/切り分け」→ docs/development/current/main/phases/ と docs/development/current/main/investigations/

Design Notes（箱理論の“効いてるところ”）

このプロジェクトで JoinIR が効いている理由は、「PHI/CFG を一枚岩にせず、“意味の境界”を箱で分けている」点にある。

スコープ解決の SSOT を固定する（検索順）: ConditionEnv → LoopBodyLocalEnv → CapturedEnv → CarrierInfo
- 「なぜこの変数が見える/見えないか」を、層の契約として説明できるようにする
ループは “形（pattern）” を言語化して段階投入する（fixture + shape guard + Fail-Fast）
- pattern を増やす代わりに、policy（family）で “同型” を吸収する
Capability は “解禁の順序” を SSOT 化する（最小形→回帰で積み上げ）
- 未対応は best-effort で誤魔化さず、Fail-Fast で理由を固定する

最近の改善（完了）:

policy Reject の "hint" を error_tags に集約して、修正方針を 1 行で出せるようにした（Phase 109）
構造SSOT（LoopSkeleton + StepTree）へ寄せて、policy/step箱の増殖先を “構造” に集約する足場を追加した（Phase 110–112）

Error Tags with Hints (Phase 109)

SSOT: error_tags is the single source for "tag + message + hint" errors.

Policy:

policy/validator/merge use error_tags (no raw strings)
hint is "1-line fix suggestion" only (no long explanations)
Format: [joinir/<category>/<tag>] <message> Hint: <hint>

Examples:

[joinir/phase107/balanced_depth_scan/missing_tail_inc] ... Hint: add 'i = i + 1' at top-level
[joinir/phase100/pinned/reassigned] ... Hint: remove reassign, or promote to carrier

1枚図: レイヤー（AST → JoinIR → MIR → Backend）

flowchart LR
  A[AST] -->|Frontend lowering| J1[JoinIR (Structured)]
  J1 -->|Normalize / Shape guard| J2[JoinIR (Normalized)]
  J2 -->|JoinIR → MIR bridge| M1[MIR Module]
  M1 -->|Merge into host function| M2[MIR (in builder)]
  M2 --> B[Backend\n(VM / LLVM / Cranelift)]

  subgraph Frontend
    A
    J1
  end

  subgraph JoinIR Core
    J2
  end

  subgraph MIR Builder
    M1
    M2
  end

読み方:

「Loop/If の形が認識されない」: Pattern 検出（Feature/Kind）と shape guard を見る
「JoinIR は生成できるが統合で壊れる」: Merge（ValueId/PHI/ExitLine/Boundary）と契約検証を見る
「なぜこのエラータグが出たか」: ErrorTags（SSOT）を起点に呼び出し元へ辿る

“箱”の責務マップ（担当境界）

領域	役割（何を決めるか）	主な入口/箱（SSOT寄り）	主な出力	Fail-Fast（典型）
Pattern検出	ループ形を分類し、どの lowerer に渡すか決める	`src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/router.rs`, `src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/ast_feature_extractor.rs`, `src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/pattern2_inputs_facts_box.rs`, `src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/policies/`, `src/mir/loop_pattern_detection/mod.rs`	`LoopPatternKind` / Pattern 選択	「分類不能」→ 明示的に Err（サイレントな非JoinIR退避は禁止）
shape guard	「この shape なら lower/merge 契約が成立する」を保証する	`src/mir/join_ir/normalized/shape_guard.rs`, `src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/*_validator.rs`	shape OK / 詳細診断	shape 不一致を握りつぶさず Err
lowering	JoinIR（Structured/Normalized）を生成する	`src/mir/join_ir/lowering/mod.rs`, `src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/pattern2_lowering_orchestrator.rs`, `src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/pattern_.rs`	`JoinModule`	未対応の構造は `error_tags::freeze(...)` 等で Err
merge	JoinIR→MIR 変換後、ホスト関数に統合する	`src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/conversion_pipeline.rs`, `src/mir/builder/control_flow/joinir/merge/mod.rs`	ホスト MIR のブロック/ValueId 更新	ValueId 競合、ExitLine 未接続、PHI 破綻を Err
ExitMeta	「出口でどの carrier をどの host slot に戻すか」のメタ	`src/mir/join_ir/lowering/carrier_info.rs`, `src/mir/builder/control_flow/joinir/merge/exit_line/meta_collector.rs`	`ExitMeta` / `exit_bindings`	carrier 不整合（不足/過剰）を Err
CarrierInit	carrier 初期化の SSOT（FromHost/Const/LoopLocal）	`src/mir/builder/control_flow/joinir/merge/carrier_init_builder.rs`, `src/mir/join_ir/lowering/carrier_info.rs`	初期値 `ValueId`	初期化経路の分岐が散らばらない（SSOT を使う）
ErrorTags	エラータグ整形の SSOT（検索性・一貫性）	`src/mir/join_ir/lowering/error_tags.rs`	文字列タグ	文字列ハードコードを避け、タグを一元化

注:

Pattern 検出は「関数名 by-name 分岐」に依存しない（構造で決める）。必要なら dev/診断限定のガードに閉じ込める。
shape guard は「OK なら後工程が前提にできる契約」を固定する場所で、曖昧な許容をしない。

入口（コード側のエントリポイント）

不変条件（Fail-Fast）

JoinIR を触るときは、次を破ったら「即エラーで止める」前提で設計・実装する。

形状（shape）

Pattern は「認識できる shape だけ」を通し、曖昧な許容をしない。
形状が合わないときは Ok(None) で静かに進めない（非JoinIRへの退避を作らない）。
- 例外: 明確な “routing” で「別 JoinIR 経路」を選ぶのは可（同一層内での選択）。
depth-scan（Phase 107: find_balanced_*）は Pattern2 の policy で受理し、break 条件は “derived 値（depth_delta/depth_next）” から合成して SSOT 化する（by-name 分岐は禁止）。

ValueId / PHI / Boundary の世界

JoinIR 内部（JoinValueSpace 等）と host MIR builder の ValueId を混ぜない。
Boundary は JoinIR↔host の橋渡し契約:
- join_inputs と host_inputs の対応が明示される
- Exit 側は “carrier 名” をキーにして reconnection される（ExitMeta/exit_bindings）
PHI は「誰が確保するか」を固定し、衝突を許さない（PHI dst の予約・再利用禁止）。

ExitLine 契約

ExitLine は「出口へ集約する」ための契約であり、未接続の経路を残さない。
carrier/slot の不足・余剰・不整合は error_tags::exit_line_contract(...) 等で即エラーにする。

Allocator SSOT（Phase 135）

原則: すべての ValueId 発行は単一の allocator（ConditionContext.alloc_value）を経由する
禁止事項: ConditionLoweringBox / ExprLowerer での内部カウンタ使用
理由: JoinIR params (ValueId(1000+)) と衝突し、merge 時に header PHI dst を上書きする
検出: --verify で "Value %N defined multiple times" エラー
修正例: Phase 135 P0 - ConditionLoweringBox が &mut ConditionContext を受け取り、alloc_value を必ず使用

Boundary Injection SSA（Phase 135）

原則: condition_bindings は alias を許すが、注入 Copy の dst は重複させない
Fail-Fast: 異なる source が同一 dst に来る場合は即座にエラー
理由: MIR SSA を破壊し、VM/LLVM で未定義動作を引き起こす
検出: joinir_inline_boundary_injector.rs の重複排除ロジック
修正例: Phase 135 P0 - Boundary Copy deduplication by dst

Box 実装チェックリスト

Box を新規実装・変更した際は以下を必ず確認：

✅ --verify で契約違反が検出されるか（SSA 破綻・ValueId 衝突）
✅ smoke test で退行が出ないか（phase132/133/135 など）
✅ allocator を bypass していないか（ConditionContext.alloc_value を使っているか）
✅ boundary injection で dst 重複を防いでいるか

追加手順チェックリスト（新しいループ形を飲み込む最小手順）

「新しいループ形」を JoinIR で扱えるようにするときの最小手順。

Fixture を追加（再現可能に固定）
- apps/tests/ または apps/smokes/ に最小の .hako を追加（対象形が一目で分かるもの）
Pattern/feature を追加（検出）
- src/mir/builder/control_flow/joinir/patterns/ast_feature_extractor.rs（必要なら feature 抽出を拡張）
- src/mir/loop_pattern_detection/（分類/補助解析が必要ならここに追加）
shape guard を追加（契約の固定）
- 形状・前提条件を validator として分離し、失敗は Err にする
lower を追加（JoinIR を生成）
- 既存 pattern のコピーではなく、「今回の shape が要求する最小構成」にする
- エラーは src/mir/join_ir/lowering/error_tags.rs を使いタグを固定する
merge/ExitLine を接続（契約が満たされるように）
- carrier/ExitMeta/Boundary が揃っているか確認する
Tests を追加（仕様固定）
- unit: pattern/validator/merge の局所テスト
- smoke: tools/smokes/v2/ の profile に軽いケースを追加（quick を重くしない）
Docs を更新（地図を更新）
- docs/development/current/main/loop_pattern_space.md（パターン空間に追記が必要なら）
- docs/development/current/main/joinir-architecture-overview.md（箱/契約が増えたなら）
- 本ファイル（入口・責務マップの更新）

Smoke（LLVM EXE）SSOT（integration）

LLVM EXE の integration smoke は、原則として共通ヘルパーに寄せる（重複禁止 / SKIP 規約の統一）。

SSOT helper: tools/smokes/v2/lib/llvm_exe_runner.sh
- LLVM 前提チェック（llvm-config-18 / llvmlite / --backend llvm）
- 必須プラグインの dlopen gating + 必要時だけ tools/plugins/build-all.sh
- build → run → 数値行だけ抽出して比較（デバッグログ混入耐性）

スコープ解決の SSOT（Pinned Read‑Only Captures）

JoinIR lowering では「ループ内で参照される値」を次の層で解決する（探索順 SSOT）:

ConditionEnv（条件式に必要な値）
LoopBodyLocalEnv（ループ body 内で初期化される一時変数）
CapturedEnv（ループ外から入ってくる read‑only 入力）

CapturedEnv は “読み取り専用入力” の SSOT として扱い、内部で区別する:

Explicit（従来の capture）
Pinned（ループ外 local を loop 内 receiver として参照するための read‑only capture）

Fail‑Fast（Pinned）:

loop body 内で再代入される変数は pinned 禁止
loop entry 時点で host 側 ValueId が無い場合は拒否（黙って skip しない）

設計メモ: docs/development/current/main/phases/phase-100/README.md

17 KiB Raw Blame History Unescape Escape