Pipeline V2 — Box‑First Extract→Emit
Scope
- Selfhost compilerの emit‑only 経路（Stage‑1 JSON → MIR(JSON v0/v1)）を、箱の責務で明確化する。
- Parser/Resolver/Runtime には影響しない。既定挙動は不変（devフラグ/引数でのみ起動）。
Modules（責務）
-
compare_extract_box.hako
- 目的: Stage‑1 JSON から Compare(lhs, rhs, op) を堅牢に抽出（整数のみ）。
- API:
- extract_return_compare_ints(ast_json) -> {cmp,lhs,rhs} | null
- extract_if_compare_ints(ast_json) -> {cmp,lhs,rhs} | null
- 失敗時: null（呼び出し側でフォールバック）。
-
emit_compare_box.hako
- 目的: Compare の MIR(JSON v0) 生成。
- API:
- emit_compare_ret(lhs,rhs,cmp,trace) -> JSON v0（compare→ret）
- emit_compare_cfg3(lhs,rhs,cmp,materialize,trace) -> JSON v0（branch/jump/ret; materialize=2でcopy材化想定）
- 失敗時: なし（入力は抽出済み前提）。
-
pipeline.hako（flow PipelineV2）
- 役割: Extract系→Emit系の配線。Call/Method/New/Compare/If(Compare) を段階的に対応。
- フラグ:
- prefer_cfg=0: Return‑only（compare→ret）
- prefer_cfg=1: CFG（branch/jump/ret）
- prefer_cfg=2: CFG+材化（将来の copy after PHI を想定; 現状は等価分岐）
- trace: 1で最小トレース（[trace]）を出力。既定は0（静音）。
I/O（最小仕様）
- 入力: Stage‑1 JSON（Return/If/Call/Method/New の最小形）。負数/空白は RegexFlow で吸収。
- Call/Method/New の
args配列は{"type":"Int","value":…}のみを許容する。NamedArg/DefaultArg/VarArg など Int 以外が混在した場合は Null を返し、呼び出し側で Fail‑Fast（Stage‑0/Resolver 側で脱糖すること）。 - 出力: MIR(JSON v0)。将来 v1(MirCall) への直出力は lower_stage1_to_mir_v1 を併設（dev用途）。
Fail‑Fast & Fallback
- 抽出箱は見つからない場合 null を返す。pipeline は legacy extractor（Stage1ExtractFlow）でフォールバックする。
- 既定ONは変えない（dev引数でのみ有効）。
Stage Guard（Stage‑2 / Stage‑3）
- Stage‑2: Call/Method/New 向けの emit 手前ガード。Stage‑1 で弾いた NamedArg / DefaultArg / VarArg などが混入した場合は Null で Fail‑Fast し、呼び出し側に返す。
- Stage‑3: MIR(JSON) 生成器。Stage‑2 の整形結果のみを受理し、
PipelineV2.lower_stage1_to_mirが null を返した場合は Emit を実行しない。 - 代表スモーク
- Stage‑1 ガード:
selfhost_pipeline_v2_stage1_invalid_args_fail_vm.sh/..._named_default_fail_vm.sh/..._vararg_fail_vm.sh - Stage‑2/3 正常系:
selfhost_pipeline_v2_call_exec_vm.sh,selfhost_pipeline_v2_method_exec_vm.sh,selfhost_pipeline_v2_newbox_exec_vm.sh
- Stage‑1 ガード:
Testing
- quick/selfhost に compare/binop/call/method/new の代表スモークがある。Compare系は Return‑only と CFG をそれぞれ確認。
- Mini‑VM（apps/selfhost/vm/boxes/mir_vm_min.nyash）は最小仕様。算術/比較/CFGのみのスモークで品質を担保。
Notes
- 追加の Extract 箱（Call/Method/New）を段階導入し、Stage1ExtractFlow の責務を縮小する計画。
- trace は既定OFF。--emit-trace 指定時のみ出力する。CI/quick は既定で静音。
WASM 開発ラインとの取り込み方針（注意）
- wasm-development ブランチは独立開発ライン。Selfhost 側には以下のみ注意して取り込む。
- 共有仕様（MIR JSON 形状、PHI invariants、v1/v0 変換ポリシ）に関するドキュメントの同期。
- Python LLVM ハーネスの仕様更新点（値配線/PHI 正規化）を docs に反映し、実装取り込みは最小・可逆。
- Selfhost（本フォルダ）の箱 API/入出力は変更せず、adapter で吸収（MirJsonV1Adapter など）。
- 実装取り込みは小粒・局所・既定OFFのフラグ配下。quick が緑のままになる粒度で実施。
- 互換チェックは quick/integration の代表スモークで行い、重い検証は wasm ライン側で継続。