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Phase 100: Pinned Read‑Only Captures（設計メモ）

目的

JoinIR lowering のスコープ解決（ConditionEnv → LoopBodyLocalEnv → CapturedEnv）の前提を崩さずに、 「ループ外で定義した local（動的式でも可）」をループ内で receiver として参照できるようにする。

例（問題の形）:

local s = "a" + "b"   // 条件式とは無関係
loop(i < n) {
  local ch = s.substring(i, i + 1)  // receiver 解決が必要
}

方針（SSOT）

• “Pinned local” は 新しい Pattern ではなく、ループに入ってくる read‑only 入力として扱う。
• SSOT は増やさず CapturedEnv に統合し、CapturedKind で区別する:
  • Explicit: 従来の capture
  • Pinned: ループ内参照のために必要な read‑only local

Fail‑Fast 契約

• Pinned は loop body 内で 再代入されない（assignment target に現れたら拒否）。
• loop entry 時点で host 側 ValueId が存在する（variable_map に無い場合は拒否）。
• 初期化が loop より後にある等、支配関係が曖昧な場合は拒否（理由付き）。
• init 式の副作用有無は問わない（評価はホスト側で1回、Pinned は値を渡すだけ）。

Loop Canonicalizer との関係（混ぜない）

• Phase 100 は「ループ外の値が loop 内で見えない」問題（capture/wiring）を解く。
• Loop Canonicalizer は「ループ内の不変式を外に出す」AST 変換であり、別ユースケース。

予定（段階投入）

この Phase は「自由度を上げるほどバグが出やすい領域」なので、段階投入で進める。

• P1（read‑only）: ループ外 local を Pinned として CapturedEnv に取り込み、receiver 解決を通す。
  • Fail‑Fast: loop body 内で再代入される変数は pinned 禁止（理由付き）
• P2（mutable）: loop body 内で再代入される外側変数は Pinned では扱わず、LoopState（carrier/env）に昇格して運ぶ。
  • 初期は “更新形を限定” して shape guard を作り、未対応は Fail‑Fast（曖昧に通さない）
• P3（hoist）: ループ内の不変式の巻き上げは Loop Canonicalizer 側で扱う（別ユースケースとして分離）