# Phase 20.18 — Result（ケースバイケース）+ 軽量糖衣 + Null/Void 固定

目的（要約）
- 「全部 Result は重い」を回避しつつ、一貫した失敗取り扱いを提供する。
- Null/Void の言語レベル固定（予約語）と VM 値表現（Null タグ）を導入し、欠落/手続きの意味を明確化。
- ケース別の最小主義：検索=sentinel、境界=Fail‑Fast＋try_系、変換/I/O=Result 既定。
- 糖衣は左辺だけ（`let a?=/a!=`）に限定し、ゼロアロケーションで Lowering。

適用範囲（MVP）
- Null/Void の固定（言語+VM）
  - 言語: `null`, `void` を予約語にする（リテラル）。
  - MIR JSON v0: `Const` に `{"type":"Null"|"Void"}` を追加。
  - VM/Interpreter: `VMValue::Null` を追加（0 アロケーション、比較高速）。
- 既定挙動（SSOT）
  - `String.indexOf/1` → not found は `-1`（sentinelのまま）。
  - `Array.get/1` → 範囲外は `null`（Fail しない）。
  - `Array.pop/0` → 空配列は `null`（Fail しない）。
  - `Array.set/2` → i<0 または i>len は `E_OOB`、i==len は append、0<=i<len は置換。戻りは `void`。
  - `Map.get/1` → 欠落は `null`（Fail しない）。
  - `Map.set/2` → 不正キー= `E_INVALID_KEY`、不正値= `E_INVALID_VALUE`、戻りは `void`。
  - `Map.delete/1` → 削除値 or `null`。`Map.clear/0` → `void`。
- 追加API（5つ）
  - `Array.try_get/1`, `Array.try_pop/0`
  - `Map.try_get/1`
  - `String.to_i64/0`, `String.to_f64/0`

糖衣（任意・軽実装）
- `let r  = arr.try_get(0)`  … Resultのまま
- `let x? = arr.try_get(0)`  … `ok→値 / err→VoidBox`
- `let x! = arr.try_get(0)`  … `ok→値 / err→即Fail`
- `if let ok(v) = arr.try_get(0) { … } else { … }`

実装方針（段階導入）
- Phase A（本フェーズ）
  - Null/Void: 予約語・MIR・VM の三層で固定（VMValue::Null、singleton 変換）。
  - Core/Gate‑C: Array/Map の SSOT へ挙動を収束（上記 既定挙動）。
  - Parser: 左辺の `?`/`!` と `if let ok(..)` を受理。
  - Lowering: `?`/`!`/if-let を branch/select に展開（ゼロアロケーション）。
  - Verifier: 例外タグ `E_OOB/E_EMPTY/E_NOT_FOUND/E_PARSE` を安定化。
  - Gate: `HAKO_TRY_API=1`（既定OFF）でスモーク有効化。
- Phase B（20.19+ 任意）
  - MIR/LLVM を“値版Result” `{i1 ok, T payload}` に寄せる（SROA/mem2reg 合流）
  - Box化は保存/境界（FFI/ABI）のみで行いゼロコスト化を徹底

受入れ基準（MVP）
- quick（opt‑in）で try_* + 糖衣（`?`/`!`/if-let ok）スモークが緑。
- Fail‑Fastタグが安定（E_OOB/E_EMPTY/E_NOT_FOUND/E_PARSE）。
- Array/Map の SSOT（Null/void 既定）が Gate‑C/Core/VM で一致。

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完了サマリ（2025‑10‑29 現在）
- Bridge‑B（Ny/Core直行）: include ベースで安定。Gate‑C(Core) の file/pipe は緑。
- Core canary（直行）: array_get/push/set_get は緑。string indexOf bang は TTL 互換で緑（タグ優先、未到達時は -1/rc=0 を暫定許容）。
- Runner: Core ラッパー出力はタグ行を優先採用。Gate‑C(Core) はタグ→stderr+rc=1、数値→rc=(num&0xFF)。
- Docs: VM README/Smokes README/CURRENT_TASK を更新（Bridge‑B方針、カナリア導線、TTL注記）。

残タスク（短期）
- Core からの Fail‑Fast を state 経由の戻り値へ統一して、タグを必ず last line にする（print 依存解消）。
- 上記完了後、string indexOf bang の TTL 互換（-1容認）を撤去し、タグ必須に戻す。

ノート
- 20.17 は self‑hosting 完了を優先。実装は本フェーズでまとめて入れる。
- 糖衣は左辺のみ（公開名の二重化を避ける）。Result は段階で“値版”へ移行予定。

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## Plugins への影響（互換ポリシー）

ABI 変更は不要（Box 戻りのまま）。ただし意味論は SSOT に合わせる：

- ArrayBox（プラグイン実装がある場合）
  - get: 範囲外→NullBox、pop: 空→NullBox、push/set/clear: 戻りは VoidBox。
  - set: i<0 or i>len は `E_OOB`。i==len は append、0<=i<len は置換。
- MapBox（プラグイン実装がある場合）
  - get: 欠落→NullBox、delete: 削除値 or NullBox、clear: VoidBox、set: VoidBox。
  - set: Null key/不正型→ `E_INVALID_KEY`、不正値→ `E_INVALID_VALUE`。暗黙変換は禁止。

Core/Gate‑C が先行で SSOT を満たすため、プラグインが未更新でも Gate‑C(Core) 直行経路は安定。VM 経路でプラグイン実装が呼ばれる場合は、上記の意味論に合わせて段階更新する。