# Current Task: Phase E1-CORRECT - 最下層ポインターBox実装 **Date**: 2025-11-13 **Status**: 🔧 In Progress **Priority**: CRITICAL --- ## 🎯 Goal Phase E1-CORRECT において、**tiny freelist next ポインタのレイアウト仕様と API を物理制約込みで厳密に統一**し、 C7/C0 特殊ケースや直接 *(void\*\*) アクセス起因の SEGV を構造的に排除する。 --- ## ✅ 正式仕様(決定版) HAKMEM_TINY_HEADER_CLASSIDX フラグ有無と size class ごとに next の格納オフセットを厳密定義する。 ### 1. ヘッダ有効時 (HAKMEM_TINY_HEADER_CLASSIDX != 0) 各クラスの物理レイアウトと next オフセット: - Class 0: - 物理: `[1B header][7B payload]` (合計 8B) - 制約: offset 1 に 8B pointer は入らない (1 + 8 = 9B > 8B) → 不可能 - 仕様: - freelist 中は header を上書きして next を `base + 0` に格納 - free 中 header不要のため問題なし - next offset: `0` - Class 1〜6: - 物理: `[1B header][payload >= 8B]` - 仕様: - header は保持 - freelist next は header 直後の `base + 1` に格納 - next offset: `1` - Class 7: - 大きなブロック / もともと特殊扱いだった領域 - 実装と互換性・余裕を考慮し、freelist next は `base + 0` 扱いとするのが合理的 - next offset: `0` まとめ: - `HAKMEM_TINY_HEADER_CLASSIDX != 0` のとき: - Class 0,7 → `next_off = 0` - Class 1〜6 → `next_off = 1` ### 2. ヘッダ無効時 (HAKMEM_TINY_HEADER_CLASSIDX == 0) - 全クラス: - header なし - freelist next は従来通り `base + 0` - next offset: 常に `0` --- ## 📦 Box / API 統一方針 重複・矛盾していた Box API / tiny_nextptr 実装を以下の方針で統一する。 ### Authoritative Logic 単一の「next offset 計算」と「安全な load/store」を真実として定義: - `size_t tiny_next_off(int class_idx)`: - `#if HAKMEM_TINY_HEADER_CLASSIDX` - `return (class_idx == 0 || class_idx == 7) ? 0 : 1;` - `#else` - `return 0;` - `void* tiny_next_load(const void* base, int class_idx)` - `void tiny_next_store(void* base, int class_idx, void* next)` この3つを中心に全ての next アクセスを集約する。 ### box/tiny_next_ptr_box.h - `tiny_nextptr.h` をインクルード、もしくは同一ロジックを使用し、 「Box API」としての薄いラッパ/マクロを提供: 例(最終イメージ): - `static inline void tiny_next_write(int class_idx, void* base, void* next)` - 中で `tiny_next_store(base, class_idx, next)` を呼ぶ - `static inline void* tiny_next_read(int class_idx, const void* base)` - 中で `tiny_next_load(base, class_idx)` を呼ぶ - `#define TINY_NEXT_WRITE(cls, base, next) tiny_next_write((cls), (base), (next))` - `#define TINY_NEXT_READ(cls, base) tiny_next_read((cls), (base))` ポイント: - API は `class_idx` と `base pointer` を明示的に受け取る。 - next offset の分岐 (0 or 1) は API 内だけに閉じ込め、呼び出し元での条件分岐は禁止。 - `*(void**)` による直接アクセスは禁止(grep で検出対象)。 --- ## 🚫 禁止事項 - Phase E1-CORRECT 以降のコードで以下を使用することは禁止: - `*(void**)ptr` などの直接 next 読み書き - `class_idx == 7 ? 0 : 1` など、ローカルに next offset を決めるロジック - `ALL classes offset 1` 前提のコメントや実装 これらは順次削除・修正対象。 --- ## 🔍 現状の問題と対策 ### 以前の問題点 - `tiny_nextptr.h` が「ALL classes → offset 1」として実装されていた時期があり、 - Class 0 に対して offset 1 書き込み → 即時 SEGV - Class 7 や一部 call site での不整合も誘発 - `box/tiny_next_ptr_box.h` と `tiny_nextptr.h` が別仕様になり、 - どちらが正しいか不明瞭な状態で混在していた ### 対策(このドキュメントが指示すること) 1. 正式仕様を上記の通り固定(Class 0,7 → 0 / Class 1〜6 → 1)。 2. `tiny_nextptr.h` をこの仕様に合わせて修正する。 3. `box/tiny_next_ptr_box.h` を `tiny_nextptr.h` ベースの Box API として整理する。 4. 全ての tiny/TLS/fastcache/refill/SLL 関連コードから、直接 offset 計算と `*(void**)` を排除し、 `tiny_next_*` / `TINY_NEXT_*` API 経由に統一する。 5. grep による監査: - `grep -R '\*\(void\*\*\)' core/` で違反箇所検出 - 残存している場合は順次修正 --- ## ✅ Success Criteria - 10K〜100K iterations のストレステストで全サイズ (C0〜C7) SEGV 0件 - Class 0 に対する offset1 アクセスが存在しない (grep/レビューで確認) - Class 7 の next アクセスも Box API 経由で一貫 (offset0扱い) - すべての next アクセスパスが: - 「仕様: next_off(class_idx)」に従う tiny_next_* 経由のみで記述されている - 将来のリファクタ時も、この CURRENT_TASK.md を見れば 「next はどこにあり、どうアクセスすべきか」が一意に判断できる状態 --- ## 📌 実装タスクまとめ(開発者向け) - [ ] tiny_nextptr.h を上記仕様(0/1 mixed: C0,7→0 / C1-6→1)に修正 - [ ] box/tiny_next_ptr_box.h を tiny_nextptr.h ベースのラッパとして整理 - [ ] 既存コードから next オフセット直書きロジックを撤廃し、Box API に統一 - [ ] `*(void**)` の直接使用箇所を grep で洗い、必要なものを tiny_next_* に置換 - [ ] Release/Debug ビルド + 長時間テストで安定性確認 - [ ] ドキュメント・コメントから「ALL classes offset 1」系の誤記を除去